このタイトル、気にされている方は、かなり気になるかもしれません。
定期的に読んでいる医学雑誌に、興味深い記事があったので、ご紹介します。
新潟大学大学院医歯学総合研究科予防歯科学分野教授の宮崎秀夫先生によりますと、”口臭の80%以上は口の中で産生され、舌苔(舌の後ろの粘膜の上の白いものーバイオフィルム)からが最も多く、歯周病の有無に関わらず舌苔量のコントロールが治癒の鍵をにぎる”そうです。
歯周病の有無に関わらず、というのが意外な気がしたのですが、先生は続けます。”口からの口臭の主要な原因物質は、硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄化合物。これらは、歯周病原性細菌(P gingivalisなど)を含む嫌気性菌が(←要するに一番奥の奥にいる手ごわいばい菌)が唾液、血液や剥がれた上皮細胞や食べかすの含硫アミノ酸を分解・腐敗することで作られる。”
”歯周病のない人の舌苔による口臭は硫化水素が主体。歯周病があると歯周ポケットのなかで増殖した嫌気性菌とともに、死んだ菌や戦った白血球の死骸などのタンパクが唾液に流れる。就眠中にそれらのタンパク質と歯周病原細菌が舌苔に供給され、歯周病のない人とは異なる菌叢の構成となる。これにより、歯周病の人の口臭は、メチルメルカプタン中心の口臭となり、より強い悪臭として感じられる。このメチルメルカプタンは、コラーゲン分解の促進やサイトカイン産生など、さらなる歯周破壊と炎症をもたらし、口臭と歯周病の悪循環が形成される。”
よくわかりました。悪循環こわいですね。そして、あの独特なにおいの正体もわかって、私としてはすっきりしました。
ヒロ横浜デンタルでは、むし歯の治療とともに歯周病の治療も重点をおいております。ぜひHPもご覧ください。 (歯科医師 生澤)