こんにちは。歯科麻酔科医の生澤です。
今回は8月に参加したACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)のコースについて書かせて頂こうと思います。簡単にいうとアメリカ心臓協会の救急蘇生のコースなのですが、BLS(Basic Life Support)をうけていて有効期限内でないと受けられないので、今回チャレンジしてきました。これらのコースは前もって勉強して、薬理や薬品・心電図を理解しプレテストを自分でやっていき、当日実技と筆記試験を受けるというスタイルでした。
2年以内にBLSを受けているものの実際やってみるとあやしいところも出てきて、ちゃんと更新していかないと抜けてしまうと実感しました。
今日はACLSの中でも、Stroke (脳卒中)についてです。
何かがおかしいけれど、何かわからない。ということがあったら、知識の引き出しがあるのとないのとでは、結末が大きく変わってしまうかもしれません。
ですから、脳卒中の3つの所見をしっておきましょう。高齢化社会では自分の身の回りを含め、遭遇する可能性も大です。
1.顔面下垂(歯をみせるように指示しても顔の片側の動きが悪い)
2.上肢脱力(片側の腕を持ち上げられない)
3.言語障害(はっきり話せなくなる)
これらはThe Cincinnati Prehospital Stroke Scaleとよばれていて1つでもあてはまると72%の確率で、全てあてはまると85%以上の確率で脳卒中であるということです。
肝心なのは、検査をして脳梗塞であれば、発症から3時間以内にrtPA(recombinant tissue plasminogen activator)という薬を使うと、よりよい結果が得られるということです。ですから、発見者が脳卒中ではないか、と疑って救急車を呼ぶのがとても大事なのです。
歯科のブログに脳卒中の話とは、少し関係ないと思われるかもしれませんが、近頃AEDが急速に普及してきて認知度が上がっているように、脳卒中も認知度があがってほしいとインストラクターの方がおっしゃっていたので、とりあげてみました。ご参考になれば幸いです。