神経の治療は痛いもの?

4月に行われた第一回に引き続き、6月下旬の週末に藤本研修会歯内療法学コース第二回に参加し、石井 宏先生の熱い講義を受けてきました。

今回は、神経の治療のあとの薬をつめるところ(根管充填)から、その先の土台をたてて、被せ物を入れるところまでのことと、歯の神経や顔の痛みについてでした。

神経の治療がばい菌との戦いだということはHPにのっていますが、治療が終わって根に薬を詰めて、土台・被せ物と最後までいって初めて安心できるということをたびたび教わりました。ラバーダムを使って神経の治療が終わっても、根の薬を入れ終わったところで放置すると短いと3週間でばい菌が入り込んで、根の先まで達するというのです。精密に作られた被せ物をしないと、ばい菌が入り込む隙を与えてしまい、同じことの繰り返しになってしまいます。というより、同じような治療を繰り返していると、そのたびに虫歯などで歯を削っていき、残った歯の量が本当に少なくなって、もう治療できない!ということもでてきますので、いかに精密な被せ物で悪循環をたちきることが重要であるかよくわかります。

次に痛みの話ですが、痛みの種類はたくさんあって、きちんと痛みの原因を特定しないで治療にとりかかることは決してしてはいけないということでした。こうして書くと当たり前ですし、絶対そうでなければいけないのですが、それにしても痛みの原因を特定するのは難しいことです。わからなかったら、早く痛みの専門家に紹介することが最も正しい判断です。特に痛みの原因が身体的でなく、心理的な場合などです。私たちヒロ横浜デンタルでは、このような場合慶応大学口腔外科の和嶋先生に紹介させて頂いております。

神経の治療の後の痛みに関しては、世界の論文で、65%の患者さんに何らかの治療後の痛みがあったと報告されています。そのうち痛みが強い人が25%以下で、2~20%の人が痛みのために緊急来院が必要であったとあります。痛みのピークは治療後12時間ですが、そのほとんどが2-3日で治まります。また、痛みがもともとある場合は治療後痛みがでやすいです。

というわけで、神経の治療の後の痛みは出るものと、論文から言えそうです。痛みの原因は複合的ですが、わかりやすく言うと、転んでけがして消毒すると痛いでしょ、ということも一つあります。

しかし、痛いのはだれでも嫌です。我慢しなさいとはいえません。ですから治療に細心の注意を払い、それでも痛い可能性があることを説明し、痛み止めを処方するということが大切です。日本人は我慢強いということもありますが、痛みは我慢せず痛み止めを飲んでください。ほとんどの場合痛み止めは効くはずです。また、何かおかしいと感じたら遠慮なくご連絡いただくのも大切です。

以上、熱い講義のまとめです。ご参考になれば幸いです。(生澤)

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