皆さんこんにちは。院長の高橋 浩です。
ハワイで行われたアメリカ歯内療法学会2日目。何とか時差ぼけが取れ始め、朝7時からのレクチャーも何とか聴けるような体調になってきました。
今日のトピックの中で一番聞きたかったことは、歯の中の形(解剖学的形態)がいかに難しいかと言う講義です。歯の内部は奥歯になればなるほど非常に形態が複雑で、鍾乳洞のような形をしています。そのような根の中をきれいにするのは、至難の業であることが改めて解りました。
非常に複雑なこの根の中の形。顕微鏡を使っても、どんなに腕の良い歯科医でも、30パーセントは汚れを取り除くことができないと、データとして出ていました。ですから、ラバーダムをして、滅菌(菌が全くいない)道具を使っても、治らないケースがたくさんあるということなのです。
もうひとつ、驚いたことは、専門の先生によって治療方針が全く違うと言うことです。たとえば外科の専門の先生であれば抜歯を選択しますし、インプラントの専門であればインプラントを選択しますし、歯内療法の専門であれば、歯内療法外科(歯根端切除術マイクロサージェリー)を選択するというデータでした。この選択はあくまで歯科医師の選択であり、患者様の選択ではありません。
では、原点に立ち返り、人間にとって一番いい物は何でしょうか?歯が無いこと?人工的なインプラントをいること?それとも天然? どんな人も自分の歯に勝る物は無いのは知っていますよね。そのためにやはり、予防し、神経を残すことの重要性、専門性の責任を改めて感じた一日でした。
歯科医師 高橋 浩