2012年8月8日 心肺蘇生

院内研修会(救急の日)

9月9日の救急の日に先立ち、ヒロ横濱デンタルの院内研修会が行われました。
マネキンとAED(自動除細動器)、バッグマスク(呼吸を補助するため)、酸素、モニター(血圧や酸素飽和度を測る機器)など準備万端です。マネキン以外は院内に常時あるものですが、実際に緊急事態に備えて場所や使い方などを復習しました。

アメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインG2010にそって、一次救急蘇生(Basic Life Support-BLS)の考え方や手技を学びました。

かつて、ABCといわれていた救急蘇生の方法ですが、科学的論文に基づき(EBM)、5年ごとに見直しが行われています。G2010では、CABの手順に変更されました。CABとは
C Compression (胸骨圧迫―かつては心臓マッサージと呼ばれていました)
A Airway 気道確保
B Breathing 人工呼吸
です。

またDというのは Defibrillationで除細動です。CABを行いつつ、可能な限り早期にD(電気ショック)を行うのが最も救命率が高いというデータがでたそうです。
一般人の救助者は気道確保や人工呼吸を行う必要はなく、胸骨圧迫だけでよいとされています。つまりCとDだけでよいというのです。

大事なポイントは
心停止を認識したら、10秒以内に胸骨圧迫開始
強く速く胸を押す(少なくとも一分に100回で、5センチの深さまで)
胸を押すごとに胸の戻りを確認する(胸壁を元の位置に戻す)
胸骨圧迫の中断は最小限に(10秒以内)
胸があがる十分な人工呼吸
過換気を避ける(人工呼吸の回数を多くしすぎない)

胸骨圧迫30回したら気道確保と人工呼吸2回します。
AEDは全く触ったことのない人でも使えるように機械がやることを指示してくれるので、臆せず早期に使用しましょう。

体と頭を使った実習で、普段からの練習がいかに大切か痛感しました。普段考えずに体が動くようにしておかないと、緊急時にすばやく対応できないと思います。また、チームとしての協力も重要で、いかに重要臓器への血流をとめないで、高次の医療機関へ搬送できるかが救命率を大きく左右するということを学びました。

毎年しっかりと練習して、またガイドラインが変更になった際はすぐに新しいガイドラインに沿って一次救命処置ができるようにしていきたいと思います。